SPECIAL OFFICIAL INTERVIEW 第2期 放送後 オフィシャルインタビュー

静かに流れる時間と、胸を打つ戦い。
10話という数字では測れないほど、
濃密な旅がそこにあった。
第1期の切なさを越え、第2期は確かな前進へ。
3人の距離は少しずつ変わり、言葉にできなかった想いは、やがて“まっすぐな言葉”へと変わっていく。
『葬送のフリーレン』第2期を駆け抜けた
種﨑敦美、市ノ瀬加那、小林千晃。
彼らが見つめたのは、成長と絆、
そして“かけがえのない時間”だった。

静と動が交差した、10話以上の濃密な旅

―― 第2期全体を振り返って、どんな物語だったと感じていますか?

種﨑:第2期は、静かな時間の積み重ねと、息をのむようなアクションが同居していた印象です。全10話とは思えないほど、1話1話が本当に濃密でした。実は、第1期があまりにも素晴らしかったからこそ「第2期はどう受け止めてもらえるんだろう」と、始まる前は少し怖さもあったんです。でも、終わってみると、いちばん強く残っていた感情は“楽しかった”という気持ちでした。それが自分でも少し意外で。第1期が終わった時は「Anytime Anywhere」(第1期EDテーマ)のように、どこか切なさを抱えていた感覚があったのですが、第2期の収録を終えた今は「The Story of Us」(第2期EDテーマ)が象徴するように、もっと前向きで、未来へ進んでいく感覚があった。“みんなの想いを、私がどこへでも連れていける”——そんな気持ちで締めくくれたことが、何より印象的です。

市ノ瀬:フェルンにとって、第2期は新しい一面が見えたシーズンでした。たとえば、シュタルクに向けた「私、明日暇なんですけど。構ってください」というセリフ。第1期ではきっと出てこなかった言葉ですよね。3人で旅を重ねる中で、絆が深まり、距離が縮まったからこそ、あんなふうに素直な言葉が出てきたんだと思います。強くてしっかり者なフェルンが、少しずつ甘えたり、心を開いたりする。その変化を丁寧に描いていただけたのが第2期だったのかなと感じています。10話という話数以上に、心が動く瞬間が詰まっていました。体感としては、もっと長い旅をしていたような気がします。フェルンの内面も、3人の関係性も、確実に一歩先へ進んだ。そんな実感のあるシーズンでした。

小林:シュタルクにとっては、“成長”をはっきり感じられる物語でした。戦うことへの恐怖や、逃げ出したくなる気持ちは今も変わらない。でも、それでも一歩踏み出す。フリーレンとフェルンを庇い、時には背中を預け合いながら前に出る。そんな姿が確実に増えました。それは演じていても、とても大きな変化として感じていました。同時に、本音をまっすぐ伝えられるようになったことも印象的です。フリーレンに「ちゃんと(フェルンの)親をやれているよ」と伝えたり、フェルンに「どうしても喜んでほしかったんだ」と素直に打ち明けたり。少し不器用だった少年が、経験を重ねる中で、きちんと言葉を選び、想いを届けられるようになっていく。その過程がとても丁寧に描かれていたと感じています。第1期は、出会いとそれぞれの背景を掘り下げていく物語でした。どのシーンも必要不可欠で、強い意味を持っていた。でも第2期では、物語の筋とは直接関係しない“何気ない時間”が増えたように思います。なくても物語は進むかもしれない。でも、そのひとときがあるからこそ、3人をもっと好きになれるし、より深く応援したくなる。そんな“意味のないようで、かけがえのない時間”が積み重なったからこそ、第2期は、この3人の旅により一層のめり込めた。そう感じられるシーズンでした。

―― 第2期の中で特に印象に残っているシーンやキャラクターを教えてください。

  • 種﨑:第1期のときはリヒターが好きだとお話ししていたんですけど、第2期でさらに“好きなキャラクター”が増えてしまって……第33話で登場したノルム卿が本当に好きなんです。原作を読んでいたときは、リヒターも正直「渋いおじさん」という印象が強かったんです。でもアニメで動いて、声がついたことで、その魅力に改めて気づかされました。ノルム卿も同じで、「こんなに味わい深い人物だったんだ」と。江越彬紀さんのお芝居が本当に絶妙で、あの飄々としていながらもしたたかな感じがたまらないんですよね。中でも印象に残っているのが、「我々を助ければ北部高原の果てでも柔らかいパンが食べられますよ」というセリフ。あの一言に、その土地で生きる人たちの現実や覚悟がにじんでいて。第2期は、第1期以上に“いろんな場所で、いろんな人が生きている”という世界の広がりを感じられたシーズンだったなと思います。

市ノ瀬:私は、第32話でハイターが魔物討伐の後に「死ぬかと思いました」と言うシーンが印象的でした。そのセリフを聞いたとき「あれ、聞き覚えがあるな」と思ったんです。第1期でフェルンも同じ言葉を言っていて、しかも同じようにへたり込んでいたんですよね。その重なりに、個人的にすごく胸が熱くなってしまって。“ああ、やっぱり師匠と弟子なんだな”って。言葉だけじゃなく、仕草や空気感まで受け継がれている感じがして、静かにエモさを感じました(笑)。それから、第33話の皇帝酒(ボースハフト)を探し続けたファスのエピソードも忘れられません。人生の大半を捧げてきた夢のお酒が、実際は美味しくなかった。でも、みんなで笑い合いながら飲むその時間がとてもあたたかくて。味そのものよりも、「誰と飲むか」が大切なんだと感じられる場面でした。結果は理想通りじゃなくても、その時間自体に意味がある。あの何気ない笑顔に、この作品らしい優しさが詰まっている気がします。

小林:僕が印象に残っているのは、「神技のレヴォルテ編」でのゲナウとのエピソードです。第2期で、シュタルクがフリーレンとフェルン以外にいちばん多く言葉を交わした相手がゲナウだったんですよ。それもあって、とても印象に残っています。人間と魔族の対比が描かれる中で、ゲナウの優しさがにじみ出ていて。新垣樽助さんのお芝居が本当に素晴らしくて、あえて感情を強く出さないんです。でも、言葉尻や仕草から「この人は優しい人なんだ」と伝わってくる。それがまさに“『フリーレン』らしい芝居”だなと感じました。

―― ゲナウとレヴォルテの感情表現も、対照的でしたね。

小林:そうですね。“人間っぽくない人間”と“魔族っぽくない魔族”という構図が面白かったです。三木眞一郎さん演じるレヴォルテは、この状況を楽しんでいるようなお芝居で。

種﨑:ゲナウはいろんな思いを抱えているのに、新垣さんはあえて抑える。一方で、三木さんのレヴォルテは、これまでの魔族よりも感情を表に出している。その“抑える人間”と“感情を出す魔族”という役者同士の対比もすごく面白くて。芝居としてのコントラストが際立っていたなと思います。

次なる舞台は“黄金郷” 3人の旅は新章へ

―― 第1期・第2期を比較して、お互いのキャラクターに対する印象の変化はありましたか?

種﨑:フェルンもシュタルクも、格上の相手と戦うときにはちゃんと不安を抱えているんですよね。でも、実はその不安を乗り越えられるだけの実力があって、隣には仲間がいる。その経験を少しずつ積み重ねていくことで、「怖いけど、きっと大丈夫」という感覚が育っているように感じました。フェルンは魔法使いとしてだけでなく、ひとりの人間として、細やかだけれど確実に変化している。第2期では、その揺れや柔らかさがより見えた気がします。シュタルクも「これがダメなら次はこうだ」と考えられるようになったり、戦いの中でふっと“やってやったぜ”みたいな表情を見せたり。小さな変化の積み重ねが、確かな成長になっている。そんな第2期だったと思います。

  • 市ノ瀬:シュタルクの変化は、フェルンとのデートのエピソードに象徴されていた気がします。フリーレンに相談しに行ったり、「ちゃんと親をやれてるよ」と声をかけたり。相手のことをしっかりと見つめて、言葉にできるようになったんだなと感じました。その場面でのフリーレンも、私はとても好きなんです。「私はあの子の好きな物をほとんど見つけられなかった」と言いながらも、つまみ食いが好きだとか、焼き菓子の好みが気分で変わるとか、細かいところまでちゃんと覚えている。あのやりとりには、これまで3人で歩んできた時間がぎゅっと詰まっているように感じました。

小林:改めて感じたのは、フリーレンとフェルンがお互いをどれだけ想い合っているか、ということでした。好きで、誇りに思っていて、ちゃんと信頼している。フリーレンがシュタルクとふたりきりになると、自然とフェルンの話をするんですよね。
その姿から、どれだけ大切にしているかが伝わってきました。一方で、フェルンもフリーレンを尊敬し続けている。そしてシュタルクは、そのふたりの関係に少しずつ近づいていく存在になった。フリーレンの突飛な行動に対するリアクションも、どこかフェルンに似てきていて。師弟であり、家族のようでもあり、でもひと言では言い表せない関係性。その曖昧であたたかい距離感が、第2期でより鮮明になったと感じています。

―― 続編となる「黄金郷編」の制作が決定しました。発表を受けての意気込みをお聞かせください。

種﨑:実はこれまで、続編についてはどこか濁された言い方をされることが多くて。「やる……けど……」みたいな(笑)。
だから正直、いろんな事情もあるのかな、もしかしたら実現しないこともあるのかな、と少し思っていた部分もあったんです。でも、正式に「黄金郷編」が決まったと聞いたとき、「本当にやるんだ」と。素直にうれしかったですね。第2期を終えて、心に残ったいちばんの感情が“楽しかった”だったからこそ、その続きをまた演じられることが本当にうれしい。正直、今はまだ具体的な覚悟や感情がどうなるのかは分からないんです。第1期と第2期でも、終わった後の自分の気持ちは全然違いましたし、きっとまた違う景色が見えるはず。だからこそ楽しみですし、とにかく精いっぱい向き合いたいと思っています。頑張ります!

市ノ瀬:原作を読んでいる身としては、「あの黄金郷をどう映像化するんだろう?」というワクワクがまずあります。一読者として、純粋に早く観たい気持ちが大きいです。ただ、発表を聞いた今も、どこかまだ実感が追いついていなくて。少し先の未来の話という感じがしています。でもだからこそ、どんなふうに形になるのか想像する時間も楽しいんですよね。全部が“黄金”の世界を、どう描くのか。色味や空気感はどうなるんだろう、と考えるだけでワクワクします。フェルンとしても、きっとまた新しい局面を迎えるはず。まだ言葉にできることは多くありませんが、精いっぱい向き合っていきたいと思います。みなさんもぜひ想像しながら、楽しみに待っていただけたらうれしいです。

  • 小林:「神技のレヴォルテ編」でも、僕の中ではゲナウが主人公のように感じられていて。故郷を滅ぼされ、幼なじみを失い、その葛藤の中で進んでいく姿が強く印象に残っています。「黄金郷編」も、きっとまた違った角度から物語が展開していくはず。第2期ラストで登場したデンケンが中心になっていく予感もありますし、これまでとは異なる視点で『葬送のフリーレン』の世界を味わえるのではないかと感じています。アニメならではの演出やオリジナル要素もきっと加わるでしょうし、いち視聴者としても本当に楽しみです。シュタルクとしても、その中でどう在れるのか。ワクワクしながら、しっかり向き合っていきたいと思います。

―― 最後に、視聴者のみなさんへメッセージをお願いします。

種﨑:第1期が始まる前と終わった後、第2期が始まる前と終わった後で、自分の気持ちは本当に驚くほど変わりました。作品と向き合うたびに、新しい感情に出会わせてもらっている感覚があります。今はまだ第3期「黄金郷編」の収録も始まっていませんが、きっとまた始まる前、収録中、そして終わった後で、自分の中の景色は変わっていくんだろうなと思っています。その変化さえも、今から楽しみです。観てくださっているみなさんも、きっとその時々で受け取るものが少しずつ違うはず。何度でも見返しながら、それぞれのタイミングで、この作品と出会い直していただけたらうれしいです。これからも一緒に旅を続けていただけたら幸せです。

市ノ瀬:第2期をご覧くださったみなさん、本当にありがとうございました。第1期とはまた違い、第2期は3人の絆によりフォーカスが当たったシーズンだったと思います。そしてこれから始まる「黄金郷編」は、またガラッと空気が変わる物語になります。原作ファンのみなさんにとっても、長く心に残っているエピソードだと思いますし、私自身も映像でどう描かれるのか、とても楽しみです。ぜひ第1期・第2期を何度でも見返しながら、その先に続く物語を一緒に待っていただけたらうれしいです。これからも『葬送のフリーレン』をよろしくお願いします。

小林:まずは第2期までご視聴いただき、本当にありがとうございました。そして第3期、「黄金郷編」の発表もありました。このエピソードは、ファンのみなさんの中でも特に印象深い物語だと思いますし、僕自身もいちファンとしてすごく楽しみにしています。正直、現時点では僕らも詳しいことはまだ分かっていません。でも、第1期・第2期を観てくださったみなさんなら、制作陣と『葬送のフリーレン』の組み合わせが生み出す力を、きっと信じてくださっていると思います。僕らもその信頼とワクワクを胸に、次の物語に向かっていきます。ぜひみなさんも、その期待を持ち続けながら、第3期を楽しみに待っていてください。

文:吉野庫之介

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